歩行における内反尖足に対する工夫
作業療法士の高坂です。
脳梗塞や脳出血(以下を脳卒中と言う)などの種類、病気の場所によって麻痺の程度は違います。
脳卒中の多くは、脳の病気を起こした側の、反対側の身体に麻痺の症状が出現します。
その片麻痺では、腕や足が動きづらくなったり、下半身においては特に足首から足の指が『内反尖足(ないはんせんそく)』と言う状態になったりしやすいです。
内反尖足とは
写真①のように足首が内側を向き、足先が下を向いてしまいます。
そのため、立っている際に麻痺側へと体重が乗ることが出来なく、歩いている際には麻痺側の足が引っ掛かると言った不安の訴えが聞かれます。
さらには、ご自身での麻痺側の足のコントロールが出来なくなり、補装具が必要となります。
結果、筋肉のこわばり(痙性)を助長し、自らの意思では動かしにくい状態に陥ってしまいます。
※痙性:筋肉の緊張が強くなってしまった状態。
内反尖足が起こる原因
内反尖足が起こる原因 1
麻痺側の手足がこわばる原因の一つとして、麻痺していない方の要因も考えられます。
上の真は、右片麻痺を想定したものです。
(脳卒中片麻痺体験・実技シリーズ 乗り移り(移乗動作)の介助・誘導(実技編):https://youtu.be/39hnp44zjTE )を参考にしていただくと理解しやすいかしれません
右側が、麻痺側になりますが、写真を見ても分かるよう左側の非麻痺側もかなり力が入ってしまいます。
脳からの指令に関して、今回は左の脳が損傷を受けている設定ですが、実は近年の研究においては、同側(左側)の体幹や肩・股関節を支持する神経系にもダメージを受けていることが証明されています。(麻痺してない方を非麻痺側と記載)
非麻痺側に力が入ることで麻痺側への連合反応から痙性を助長していると考えられます。
内反尖足が起こる原因 2
脳卒中などにより、つま先を下げるためのふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)がこわばります。
下腿三頭筋には、腓腹筋とヒラメ筋で構成されており、共に踵に付着し、麻痺側の足を内反尖足へと助長します。
内反尖足に対する歩行を楽にする工夫
こちらの動画を参考になさってください。
今回の工夫に関しては、比較的症状の軽度の方(補装具なしの方)となっています。また個人差もありますので、お気軽に当施設へご連絡をお寄せください。