集中リハビリで達成した目標
痛みが軽減!
買い物に行けた!
基礎情報
年齢 | 80代女性 |
疾病 | 右変形性股関節症 |
病状 | 右下肢疼痛 可動域制限 廃用性の筋力・体力低下 |
リハビリ回数・期間 | 2か月 (総利用回数16回) |
リハビリ頻度 | 週2回 (1回60分) |
目標 | お盆にお墓参りに行く 買い物に行く |
これまでの経緯
8年前に右膝人工関節置換術を行い、その後も意欲的にコーラスやご友人、ご家族との旅行も楽しまれていました。
数年度、右股関節の痛みから、変形性股関節症との診断を受け、手術の提案もありましたが、年齢も考慮し、保存的治療となりました。
昨年7月に肺炎を患い体調を崩されてから、少しの外出も億劫になってしまい、外出する機会が減り、徐々に心身ともに低下がみられました。
ご家族様から、「整形外科疾患にも対応できますか?」とのご相談を頂き、R2年4月15日から2ヶ月のご利用を開始し、現在も目標に向けて取り組まれています。
初回体験時の様子
右下肢(股関節、膝関節、足関節)の痛みが強く、動かすこと、支えること共に困難な状態でした。また、右下肢を着くたびに、ギシギシとした関節音が著明に聞かれました。
ベッドでは右下肢の痛みをどうにか和らげるために、膝の下には枕が4つも入っており、寝返りも出来ない状態となっていました。そのため、体を休める時間が休まらない状態となっていました。
外に出ることが好きだった方が、出ることも、人と会うことに対しても消極的になり、新聞を取りにいくだけで、1日外に出ない日がほとんどでした。
リハビリの内容
右股関節の痛みや変形を悪化しないために、大腿骨頭と寛骨臼の関節運動を意識し、愛護的に疼痛の緩和、可動域の拡大を行ないました。
自重をかけず、関節に負担の少ない運動からはじめ、段階を追って運動を調節しました。
夜間の睡眠時も安楽姿勢がとれていないため、ベッド上でのポジショニングの調整を行ないました。
右股関節への負担を考慮し、歩行補助具も使用しながら荷重量を調節し、歩行距離を延長していきました。室内歩行から屋外歩行へと繋げていきました。
改善内容
右股関節の可動域 |
伸展 -15度 → -5度 外転 5度 → 20度 屈曲 80度 → 90度 |
筋力 |
右下肢MMT 4 → 4+ 周径 右大腿(膝蓋骨直上) 34cm → 35cm |
バランス |
FBS(functional Balance Scale) 28/56点 → 41/56点 向上項目 (立位保持、着座、閉眼立位、閉脚立位、床から物を拾う、後ろを振り向く、360°回転 段差踏み替え、継足立位保持、片脚立位) |
歩行 |
TUG 26秒 → 23秒(3秒短縮) 歩行時の関節音軽減 |
疼痛 |
リハビリ前 NRS 8/10 安静時、動作時含め常に右脚全体が痛む リハビリ後 NRS 2/10 歩行時の痛みが軽減 夜間、痛くて起きることがなくなる |
生活面での変化
猫背の姿勢が改善しました。
手に頼らずに立てるようになりました。
車への移乗時に、右足を手で持ち上げずに乗車可能になりました。
一人で美容室に行けました。
ご友人とのお茶会を再開されました。
台所に立ち、洗い物をする頻度が増えました。
食事が美味しくなりました。
リハビリ前とリハビリ後の比較動画
担当セラピストのコメント
本来活動的な人を家の中に閉じ込めてしまうほどの力が、“痛み”にはあることを実感しました。また、何歳であっても改善は見込め、「お年だから…」と諦めてはいけないと改めて感じました。
スーパーへ出向き、入口で断念してしまった苦い記憶を一蹴することができ、今後は、段差昇降できる力を身につけ、目標である「お盆にお墓参りに行く」ために取り組んでいきます。