60日間集中リハビリで達成した目標

初めて四点杖で歩けた

体験報告

基礎情報

年齢60代男性
疾病脳出血
発症1年9か月前
病状左半身不全麻痺 高次脳機能障害
リハビリ回数・期間2か月 (総利用回数16回)
リハビリ頻度週2回 (1回60分)
目標自宅で生活したい

これまでの経緯

1年9ヶ月前に脳出血を発症し、手術後急性期病院にて2ヶ月、回復期病院にて4ヶ月のリハビリを実施されました。

高齢のお母さまとの2人暮らしが困難な為、老人保健施設に入所しながら、月に2回(各2日間)の在宅生活(姉夫婦が遠方より外泊支援に来てくれる)を送っていました。「自宅に戻りたい」というご本人の希望を模索する為に、姉夫婦が当施設に相談にいらっしゃいました。

初回体験時のご様子

施設での状況を伺うと、週2回の平行棒内歩行訓練を実施されているとのこと。生活場面では自分でできることにも介助を受けており、極めて依存的な様子が伺えました。

麻痺側上下肢の緊張が高く、関節拘縮が起こっていました。左上下肢の感覚が全くなく、触られたり、どれくらい曲がっているかがわかりませんでした。また運動麻痺も重度で、わずかに筋収縮が起きる程度で、随意的に動かすことが困難でした。

幸い非麻痺側の筋力が高いレベルで保たれていましたが、非麻痺側で代償した動作パターンが染みついていました。 膝折れせずに麻痺側下肢で支える感覚を呼び起こしながら、手離し立位・トイレ動作訓練・歩行訓練を行いました。四点杖で歩いたのは発症以来初めてとのことでした。

麻痺・機能障害に対するリハビリの内容

  • 麻痺側下肢が曲がって内側に閉じたまま関節拘縮を起こしており、筋緊張の緩和と共に、関節可動域の改善を図りました。また施設様・ご家族様にも協力して頂き、臥位時には筋緊張緩和・拘縮予防の為にバスタオルロールを股に挟んでもらいました。
  • 麻痺側の感覚がわかりづらいので、視覚や非麻痺側の感覚情報も利用しながら、麻痺側下肢で支える練習を行いました。
  • 車椅子でのフットレストの操作、靴・装具を脱ぐ、移乗動作、トイレ内動作等で、本人は「やってもらうのが当たり前」、周囲も「手伝うのが当たり前」になっていました。在宅生活を見据え、最低限の介助・見守りに留めて、本人・周囲の意識を変化させるように努めました。

改善内容

  • 麻痺側下肢の筋緊張が緩和して、歩行時に足裏全体が着くようになりました。
  • 介助することなく、連続して30m程歩けるようになりました。左下肢を伸ばす感覚が少しわかってきたようで、歩行時の膝折れも軽減しました。
  • 壁や手すりに寄り掛かりながら、トイレでのズボン・リハビリパンツの着脱(パット操作除く)が見守りで行えるようになりました。
  • 下肢、体幹の関節可動域が拡大し、立位姿勢や立位動作の安定につながりました。
  • 車椅子でのリフト車送迎でしたが、訓練では階段昇降も可能となり、助手席に乗り道中の景色を楽しまれ、到着後は助手席から四点杖で歩いて入室するようになりました。

リハビリ前とリハビリ後の比較動画

担当セラピストからのコメント

麻痺側の感覚障害・認識の低下により、非麻痺側のみで行うクセが強くみられました。そのため麻痺側には筋緊張亢進や関節拘縮・筋委縮などが見られています。また施設生活での依存的な思考を変化させることに難渋しています。

 現在コロナウイルスの影響で、施設からの外出が制限されている為に休止中ですが、ご自宅でのトイレ動作が目標達成のカギになる為、訓練場所を当施設から自宅に変えて、少し特徴的な自宅トイレでの動作練習も行っていきたいと思います。

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