短時間リハビリで達成した目標

四点杖で歩けた!

体験報告

基礎情報

年齢50代女性
疾病多発性脳梗塞
発症1年10か月前
病状右半身不全麻痺 失語症 高次脳機能障害
リハビリ回数・期間2か月 (総利用回数16回)
リハビリ頻度週2回 (1回30分)
目標安定した立ち上がり動作 立位保持能力の獲得
体験された方の基礎情報

これまでの経緯

1年10ヶ月前に多発性脳梗塞にて、急性期病院に約3か月、一般病院に約3ヶ月入院後、県のリハビリセンターに1ヶ月入院し、リハビリに励むも思うような回復は得られず、医師からは“ゴール”と言われました。
現在は特別養護老人ホームに入所されており、リハビリは行われていません。ご主人様の希望にてR2.2.7より当施設にて2ヶ月(16回)のプログラムを開始され、ご利用継続されています。

初回体験時のご様子

主治医より、有する内科的疾患の治療により「病的骨折」「易疲労性」に配慮するよう指示があり、1回30分の短い実施時間でのリハビリ開始となりました。 簡単な単語レベルで発語もありますが、「わからない」や「(オウム返し)」な返答も多く聞かれ、ご家族の名前が答えられませんでした。リハビリ中は終始視線がキョロキョロと定まらなかったり、杖の使用方法がわからない等、注意や記憶、失行など失語を含めた高次脳機能障害が強く見られました。車椅子自走はできますが、座位は右側につぶれてしまっていました。
右上下肢の運動麻痺は中等度で、アームスリング・プラスチック製短下肢装具を使用しています。腰背部を反り返らせ立位保持する為、右側(麻痺側)・後方に重心が偏ることで手を離すことが困難でした。介助にて四点杖歩行を行うと、状況理解が得られにくく、杖を持とうとなさいませんでした。非麻痺側への体重移動を介助して歩行練習を行いました。

麻痺・機能障害に対するリハビリの内容

注意が向くようにマーキングや環境設定に配慮して実施しました。指示が上手く入らない為、環境や徒手による動きの誘導を図りながら、立ち上がり・立位バランス課題、歩行動作の反復を行う中で、動作学習を促して行きました。 ・筋緊張の異常により、右下肢のつっぱり感、腰部の反り返りが強く、座位・立位でのバランス反応を利用した筋活動の促通を図りました。

改善内容

  • 安定した立位バランスが良くなり、膝の高さの物を拾うことができるようになりました
  • 腹筋群が働きだし、腰背部の反り返りが減少しました
  • 手を離すことなく、杖を使用(前に運び、荷重する)することができるようになりました
  • 口頭指示にてトイレ内でズボンの上げ下げ動作をできる回数が増えました
  • 訓練場面では、屋内四点杖歩行が見守りでできるようになりました
  • 訓練場面では、段差昇降が介助にて行えるようになりました
  • 座位、立位での右側への傾きが減少しました
  • 体力がつき、座位耐久性、連続歩行距離が延長した
  • 助手席の乗り降りが軽介助でできるようになりました。

リハビリ前とリハビリ後の比較動画

担当セラピストからのコメント

失語症と高次脳機能障害により指示入力が難しい方ですが、環境や使用物品など工夫しながら、こちらの求める動きを学習して頂きました。1回30分と短い時間での関わりですが、1時間強の行き帰りの送迎車の中で沢山おしゃべりできていることも、脳や体幹への刺激になっていると思います。

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