脳卒中後遺症に対するリハビリテーションの流れ
発症後、早期にリハビリテーションを開始すると、機能予後は格段に良くなることが分かっています。
リハビリテーションは運動機能の回復だけでなく、心理的・社会的な回復も意味しています。
一人ひとりの障害・程度に応じたリハビリテーションを行うことで、その人がもともと行っていた日常生活にスムーズに戻れるようにしていくことが重要です。
また、リハビリテーションは本人だけでなく、家族や友人などの周りのサポートや理解も重要なポイントとなってきます。
急性期のリハビリ
発症直後の生命維持を最優先に、医師からの指示のもと廃用症候群(動かないことで生じる筋力低下や肺・心臓の疾患)を予防します。
回復期のリハビリ
病状が安定し、積極的にリハビリに取り組む時期です。リハビリ目的で回復期病院に転院し、積極的に実施することで、大きな回復が期待できます。
基本的にはリハビリの専門家(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が日常生活を行う上で必要な動作が行えるよう運動機能・嚥下機能・高次脳機能などを改善させるリハビリテーションが中心となります。
ただし回復期病院への転院は、発症から2ヶ月以内と限られています。また、入院期間は発症から150日(または180日)までの上限が厚生労働省により定められており、その後の入院リハビリ延長を希望しても叶わない現状があります。
なぜそのような期限が設けられたかというと、古くから発症6ヶ月で機能回復は停滞すると言われてきたからです。
維持期、退院後のリハビリ
退院後は、医療保険では外来での通院リハビリ、介護保険では通所リハビリ・訪問リハビリ・老人保健施設に入所してのリハビリなどがあります。
ただし、回復期病院で集中的に行ったリハビリに比べると、質・量ともに低下せざるを得ません。
特に若年発症者では、40歳未満の場合介護保険の適応とならないことや、適応になっても介護施設で高齢の集団に馴染めないことにより、満足がいくリハビリが受けられないという現状です。
脳卒中後遺症に有効なリハビリ(療法)
脳卒中による後遺症の改善の為に、世界中で様々な治療法が開発されてきました。
日本理学療法士協会・作業療法士協会ではガイダンスを作成し、それぞれの治療法のエビデンス(その治療が有効とされる根拠)に基づいて、推奨グレードを決定しています。
推奨グレードA・Bの「行うように勧められる科学的根拠がある」とされる治療法について紹介します。
装具療法
装具により、失われた機能の回復や日常生活の向上を図ります。
CI療法
健側の手を強制的に使えないようにして、普段使わない麻痺側の手だけで集中的に作業することで、麻痺手の機能改善を促します。
ミラーセラピー
麻痺した手を鏡の裏に隠して、鏡に健側の手の動きを写して、麻痺した手が上手く動いているかのように“脳に錯覚させる”ことで、麻痺手の動きを改善します。
治療的・機能的電気刺激療法
電気刺激によって得られる筋収縮を訓練に利用し、筋の再教育を促す方法です。
川平法
必要な神経回路を再建・強化する為に、各関節に対して一定回数(100回以上)促通反復する治療法です。
バイオフィードバック療法
自覚・制御が難しい現象を、センサー等により検出して、対象者に光や音で自覚させるフィードバックさせ、意識的に制御する治療法です。
これらは治療アプローチの一例で、百人百色の症状が存在しますので、その方の症状に合った治療法を適切に選定し、実施することが求められます。ただし、リハビリスタッフの知識や技術により、その患者様に最適な治療法が実施されるかは不確かであり、患者様自身がリハビリスタッフを選ぶことや治療法を選ぶことは困難な現状です。
今なぜ自費リハビリなのか?ー自費リハビリの現状ー
放置されるリハビリ難民
約118万人いる脳卒中患者のリハビリニーズは増大しています。
しかし国の財政は圧迫され以前のように「ずっと医療保険内でリハビリ」を受けることはできなくなりました。一方、介護保険では満足できるようなリハビリを受けられるとは限らない。そのような背景で生まれたのが“リハビリ難民”なのです。
医療保険の限界、介護保険の限界により生じたリハビリ難民のニーズに応える為に、第3の選択肢として自費リハビリは生まれました。
社会復帰をめざすリハビリができているか
医師220名へのアンケート調査
以前から大きなくくりで「治療院」のような、自費サービスは様々ありました。
自費リハビリテーションの名前を使って展開したのが(株)ワイズ様です。2014年に脳梗塞リハビリセンターを開設し、自費リハビリ事業の最大手として現在全国に20店舗を構えています。
近年では、新しいビジネスチャンスとして、様々な業界からの参入が増えており、自費(自由診療)サービスを医療保険機関である病院やクリニックが行う所もあります。
では、後遺症回復の手段としての「自費リハビリ」はどのように選ぶといいのでしょうか。
下の記事を参考になさってください。