達成した目標
バランスが良くなった!
体験報告
ご本人様について
年齢 | 60代男性 |
疾病 | 脳梗塞(ラクナ梗塞) |
発症 | 1年7か月前 |
病状 | 軽度右半身まひ 脳血管性パーキソニズム 高次脳機能障害 |
リハビリ回数・期間 | 2か月(総利用回数16回) |
リハビリ頻度 | 週2回(1回120分) |
目標 | 歩行が安定し、家族とともに買い物にいくこと |
これまでの経緯
発症後、急性期病院にて約1か月半、回復期病院にて2ケ月の入院リハビリ。退院後、週回のデイケアを継続。退院後にパーキンソニズムによる前方突進現象が見られるようになり、杖を使用するようになった。
お試し体験を経てR1.12.10から当施設の60日間集中プログラムを開始。
初回体験時のご様子
ホームページを見て、奥様・娘さんと一緒に来所。
右半身の運動麻痺は極軽度でしたが、重心のコントロールが不良で立ち座りが困難で「ドスン」と座ってしまう状態。歩行時は足幅を広げてゆっくりとしか歩けず、右足が自分で突いた杖にぶつかってしまう様子がみられた。長い距離を歩くと前に突進してしまい、何度も転倒を経験なさっていたとのこと。方向転換もうまく出来ず困っていらした。
リハビリの内容
軽度の運動麻痺が右半身にあるものの、重心コントロールができない(特に左下肢に荷重できない)ことが問題と考え、あえて不安定な動作課題を実行する中で運動学習(神経系の可塑性)を促しました。
バランス練習を徹底的に行い、静的・動的安定性限界を拡大して、身体動揺を減少させるように働きかけました。高次脳機能障害による認知的影響に対応するための、改善をも同時に進めていきました。
実際に買い物に行くなど積極的に課題や環境を変え、安全性の確認や奥様の不安解消を図ると共に適応性向上も図りました。
改善内容
- 椅子からゆっくり安定的に手離しで立ち座りができるようになった。
- 自宅の掘りコタツからの立ち座りも見守りで行えるようになった。
- 右足が左足を追い越して前に出せるようになり、スピードも向上した。
- 長く歩いても突進歩行が出なくなり、杖なし歩行となった。
- 階段を昇降できるようになった。
- ご家族と一緒に公園の散歩や買い物に出かけることが出来るようになった。
- ご本人、ご家族の症状に対する理解が深まり、対応方法が明確になることで不安感が軽減。
担当セラピストからのコメント
毎回奥様が付き添ってくださり、生活状況に合わせたアドバイスや、自主トレーニングの注意点など共有できました。
ご本人・ご家族の悩みにその都度お答えできたので、ご安心いただけたようでよかったです。通っているデイケアのリハビリも併用し、同じ方向性で介入できたことも大きな改善につながった要因だと思います。
高次脳機能障害があり、動作手順の習得や課題が重複すると混乱することもありますが、今後も環境や外界に対して上手に適応できるようにリハビリを継続していきましょう。