脳梗塞になって

F様 60代男性(脳梗塞 重度左片麻痺 高次脳機能障害)発症から2年4ヶ月経過

今回の目標は、ご本人「トイレまで歩けるようになりたい」と、奥様「自宅で私(奥様)の見守りのもと四点杖で歩行訓練が出来るようになってほしい」となります。

これまでの経緯について

発症直後に医者から「(自由に)歩けるようにはならない。車いす中心の生活に・・・」と言われとても落ち込まれたF様。
発症後、急性期病院にて1ヶ月、回復期病院にて6ヶ月入院リハビリ。入院日数の制限のため、退院後は週2回の訪問リハビリ、週2回のデイサービスを利用。当施設を令和2年1月8日より、週2回90分コースのご利用となりました。

四点杖歩行がなんとかできる

ホームページを見て、奥様と来所なさいました。車椅子中心の生活で、動作は右側(非麻痺側)を中心とし、左側(麻痺側)の参加は乏しい状態でした。
平行棒、四点杖歩行は出来るものの、右側へ必要以上に頼る努力性の歩行であり、短距離であっても疲労感が強く、右膝の痛みも出現していました。
訪問リハビリだけで四点杖の歩行訓練を行っているものの、歩行訓練そのものは身体機能の維持が目的であり、高次脳機能障害からも、四点杖のレンタルは不可となっていました。

片麻痺のF様のリハビリ前の歩行の様子動画

リハビリ内容

①麻痺側を賦活※し、歩行だけでなく、立ち上がり、立位でも麻痺側の動作参加を進めました。
 ※賦活・・・活力を与えること
②高次脳機能障害が強いため、歩行に対して、歩行環境、時間、距離、回数、歩行前の準備運動まで細かく設定し、それを忠実に出来ることを本人、家族、その他のサービスへも周知していきました。
③腰、膝、左足首の痛みの緩和のため、ベッド上でのポジショニングの調整を行っていきました。

改善内容

1ヶ月
① 靴、装具をご自分で着脱可能となりました
 (足を入れやすいように靴のタンとつま先部分にマジックテープ装着、踵を入れやすいように持ちやすい靴の踵部分にループ状の紐を装着)
② 車椅子から手すりを使わずに立てるようになりました
③ トイレ動作介助量の軽減しました
(移乗見守り、ズボンの上げ下げ全介助から、ズボン上げ時に左側の着衣の乱れを直すのみとなりました)

2ヶ月
※ご本人、ご家族の思いに応えるためには、ご自宅でのリハビリの重要性が高いと判断し、リハビリ場所を自宅へ変更しました
④ 奥様と自宅内四点杖歩行練習が習慣となりました(四点杖レンタル開始。奥様管理)
⑤ デイサービスでの四点杖歩行訓練が開始となり、継続できています
⑥ ご自宅内、トイレまで歩行が可能となりました
⑦ 腰痛の訴えが軽減しました

3ヶ月
⑧ 玄関のあがり框を奥様見守りのうえでの昇降が可能となりました
⑨ ご自宅の庭先をセラピスト見守りで四点杖歩行ができるようになりました

リハビリ中及びリハビリ後の様子

walking-rehabilitation-start 脳梗塞
リハビリ初期はバランスを保つのがやっとの状態でした。
walking-rehabilitation 脳梗塞
左右のバランスが改善し、屋外でも安定した移動が可能となっています。
玄関上がり框の上りも見守りで可能となり、生活動作の自信回復に寄与しています。

家族からのコメント

奥様から
「(本人が)死とか自分の存在を否定する言葉を度々口にするので、私も辛く、『今に良くなるから、暖かくなれば楽になるから頑張ろう』と励ましてはいたのですが、状態に変化がなく、主人も大分辛かったと思います。そちらでリハビリを始めて、出来る事が少しずつ増えて、本人も前向きになり、以前の様な言葉は口にしなくなりました。

脳梗塞の発症時、主治医の先生からは回復は難しいと言われ、今後の事等考え、目の前が真っ暗になりました。今回、何とか助けていただき、サポートしていただきたいとの思いから利用させていただき、玄関での昇り降り→外での歩行と、出来るようになり、諦めずにリハビリを続けて良かったと思います。これから夫婦二人の時間を大切に考え、教えていただいたプログラムを参考にリハビリを続けたいと思います。」

セラピストからのコメント

本人、奥様の諦めない思いや、頑張りが当初の目標を大きく超えて改善に繋がりました。また、多くの方のご協力やご配慮を頂けたことにより、生活を変えていくことが出来ました。今後も月に1回訪問させて頂くなかで、微力ながらF様のお力になっていけたらと思います。

連携がよかった!(ご協力頂いたサービス・関係者の皆様)

担当ケアマネージャー様
 ご自宅にてF様の歩行や注意点を共有し、四点杖のレンタルを承諾して頂きました。
 本当に家で歩けるのか、転倒はないのか不安も強くあったかと思います。承諾してくださったことで大きく生活を変化させるきっかけを作って下さいました。

週2回利用しているデイサービス様 生活相談員様 機能訓練士様
 デイサービス様でも歩行訓練に対応して頂ける運びとなり、F様が利用されている日にデイサービス様へ足を運ばせて頂き、四点杖歩行の注意点や装具、靴の着脱の見守りへ配慮をお願いし快く承諾して頂きました。
 ご自宅だけでなくデイサービス様でも歩く事が日常となり、歩行能力の向上だけでなく、ご本人の意欲向上にも大きく貢献して頂けました。

福祉用具担当者様
 四点杖のレンタルを快く承諾して頂きました。
 皆様に納得して頂いた上で四点杖のレンタルを開始でき、身体機能、生活の変化に大きく繋がりました。

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