脳出血の¥による重度の後遺症でもあきらめないことが大切なNさんの実例

50代で脳出血/右麻痺

50代で脳出血になった男性Nさん。働き盛りでもあり「家業を守らなければ」とのストレスの中、脳出血を発症。右麻痺が重度で、支えても立位はできず移動は車椅子。意志疎通もはっきりできない中、夫婦二人でのリハビリ生活が始まりました。

心のダメージ

子ども達は自立しつつありましたが、大黒柱であったNさん自身が仕事を続けることが出来なくなったばかりではなく家業は廃業。介護が必要になったことで、いきなり介護者となった奥さんは仕事もできず途方に暮れることになりました。当然Nさん自身も気力が低下し、Nさん自身は自死も意識したことがあるとか。

経済的なダメージ

家業を廃業してからは奥さんが心となり生活再建を行われたようです。今までの生活を整理し、公的なサービスも受けて最低限必要な二人の生活空間を確保なさいました。奥さんは介護の勉強を始めるとともに、生活を切り詰めての介護生活が続きました。

通所のリハビリと在宅リハビリ

医療機関でのリハビリも続けたとのことですが、制限があり奥さん自身は不満だったようでした。そこで奥さんが毎日、くり返しの歩行練習を実施。場所は自宅の畳の上、身長70センチ体重60キロを超えるNさんの腰に紐を巻き付けて、奥さんが掴めるようにしていたとのことです。その時のご様子をうかがうと、理学療法士が行うようなバランス練習も知らず知らずになさっていたのではないかと思えるような内容でした。とにかく毎日毎日Nさんを励ましながらの歩行・移乗訓練をなさいました。

想像以上の回復

発症から18か月。毎日繰り返しの奥さんのリハビリを受ける中、Nさん自身の気持ちも変わり出来る事も増えるようになりました。もしかしたら発症からの6ヵ月の壁まで来ていない時期に奥さんの個別の特訓リハビリが効果的に作用したのではないかとも思われます。しかし、現在は、麻痺足に装具を自分でつけ、一人での一本杖歩行が出来、一人での留守番が出来るまでになっていらっしゃいます。奥さんはそのまま介護の資格を取りご自身の仕事となさいました。

家族の絆

ご自宅には発症後のNさんを囲むお子さん・お孫さん達家族との幸せそうな素敵な写真が飾ってあります。
奥様の献身的な介護とNさんが立ち向かったリハビリの様子は、お子さんたちにも影響があったのではと想像します。

主治医の先生もここまでの回復と、ご家族の支えは想像できなかったのではないでしょうか?できるだけ早く、集中的に多くのリハビリを受けることが出来れば、回復のレベルを上げられるのではないでしょうかと思える実例です。

そしてできないことができるようになるために戦う姿は、次の世代の人たちにも良い影響を与える源になるように思えます。

(写真はイメージです)

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